#1楽と僕{出会い}雑談
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恒例のおふざけコーナーが始まります。(^▽^)/
なんでも許せる方向け。
(((o(*゚▽゚*)o)))
八乙女楽×オリジナルキャラ(♂)
***
それは土砂降りの日だった。僕は正直に言って、行くところがなくて困っていた。
両親は事故で他界。親戚の家をたらい回しにされて、結局施設にってなったけど、それは絶対に嫌だったから、僕は自分で働いてなんとか暮らすと言い張った。
親戚も僕の面倒を看たくない様だったからちょっとほっとしたような顔をして僕に荷物をまとめさせた。そこまでは良かったけど、僕には家もないしお金だってあんまりない。傘だって持ってなかったから、本当に困ってしまった。なんとか屋根のある場所で雨宿りすることは出来たからちょっと落ち着こうと息をする。
ああ。これから本当にどうしよう。
「おい、こんなところでなにやってるんだ?」
そう声を掛けられて僕はそちらを向いた。大きい人だなあと思って目線を上げたらあの八乙女楽だった。そう、あの人気アイドルグループ「TRIGGER」の。
かっこいい。僕は反射的に思って楽さんを見つめた。さてどうしたものか。
「え、えーと傘がなくて」
「はあ?今日の天気予報で雨が降るって言ってたろ」
そうだったのか。迂闊だった。
「まあいい、ちょっと来い」
楽さんにむんずと腕を掴まれて、僕はずるずる引きずられている。力強いな。
「あ、あのう」
「なんだ?」
「楽さんこそ、ここでなにを?その格好・・・」
楽さんの格好は作務衣だった。あんまり似合ってないな。いつものアイドルの楽さんをよく見ているせいかもしれないけど。
「俺は八乙女楽じゃない」
「はい?」
じゃあ誰?
「俺は山村だ」
「はあ・・なるほど。山村楽っていう本名なんですね」
そうか、人気芸能人がここで働いていたらさすがに騒ぎになるもんね。でもその方が有名になって売り上げが伸びるんじゃ?
「お前、他の奴らみたいに騙されてくれないんだな」
「だって、無理があるし」
「まあ、そうか」
楽さんって改めてかっこいいな。さすが抱かれたい男ナンバーワンだ。
「とりあえず蕎麦食ってけよ。お前いくつだ?」
「17」
答えてしまってからしまったと思う。20って答えなくちゃいけなかった。
「学校は?」
「行ってません。両親が他界してそのままずるずる・・・」
「・・・」
楽さんが明らかに怒っている。
「とりあえず店に来い。風邪を引く」
「あ、ありがとうございます」
楽さん、優しいな。もっと冷たい人だと勝手に思っていたから少し嬉しい。店内は黒を基調とした落ち着いた雰囲気だった。
「これ着替え。タオルも」
「あ、ありがとうございます」
サイズは大きかったけど濡れてないだけいいよね。
「きのこ食えるか?」
「?・・はい」
しばらくして楽さんが持って来たのは山菜とキノコのお蕎麦だった。美味しそうでついお腹が鳴る。
「あ、お金あんまりなくて」
「俺の奢りだ」
八乙女楽かっこいいな。
「いただきます」
僕は嬉しくてお蕎麦を啜った。
「美味しい」
「よく噛んで食え」
「はい」
僕はこれからどうなるんだろう。ここで働けないか聞いてみようかな。
つづく