オリジナルBL小説{引きこもりでしたがお屋敷メイドになりました#1}雑談
お疲れ様です。m(__)m
閲覧ありがとうございます。
新しいお話が始まりました。楽しんで頂けたら幸いです。
(((o(*゚▽゚*)o)))
まだ何話で終わるか分かりませんが、頑張って書きます。
イケメン猫様ズに溺愛されていますは続きを書く予定です。
それはアルファポリスで更新する予定です。
また載せます。
「ひきこもりでしたがお屋敷メイドになりました」
#1
ソータは鉄格子の隙間から外を眺めようとした。だが、窓は曇りガラスになっているので、ろくに外も見えない。もう何度も同じことをしている。それでも繰り返してしまう。ソータは一人ため息を吐いた。絶望を感じる。自分は何故生きているのだろう。
「僕も一度でいいから外に出てみたい」
誰もソータの言葉に返事などしてくれない。代わりに、ひゅううという風の音がした。ソータは物心ついた時からこの独房のような場所にいる。理由として外は危ないからというものだ。幼い頃はそういうものなのかと思っていたが、成長するにつれ、ここがだんだん窮屈になってきている。
「ソータ様、お食事の時間です」
キイイと音をたてながら鉄格子のドアが開く。外にいたのは中年のメイドだった。
いつもソータの身の回りを世話してくれる。ソータは毎日三度の食事が楽しみだった。
昼を食べると、風呂だ。これがあるから毎日なんとか生きていけている。
ソータは美味しい昼食を楽しんで、広い湯船に浸かってほっと息を吐いた。
そのあと温かいお湯で体を洗う。風呂から出るとふかふかしたタオルで体を拭いて替えの下着と服を着た。
「ねえ、僕はいつまであそこにいればいいの?」
メイドに話しかけてみたが、彼女は顔を上げない。ソータは悲しくなった。自分とは話も出来ないのだろうかと。ソータは大人しく独房に入った。ソータは細いが、相手が女性なら力で十分勝てるだろう。だが自分が暴れて誰かに怪我をさせるのは絶対に嫌だった。
いつものように大人しく独房で本を読む。時折メイドが新しい小説をまとめて持って来てくれるのだ。小説の内容はファンタジー小説が多かった。幼い頃は外に出るとドラゴンに攻撃されるのだと恐れ戦いていたが、さすがにソータも十九になればそれは作られたものだと理解するようになってきている。自分は死ぬまでこのままなのだろうか。そう思うと気が遠くなる。ソータは本に栞を挟むとベッドに横になった。
***
辺りが騒がしい。ソータは目を開けた。
「おやめください!ソータ様に触れないで!」
メイドが叫んでいる。ソータは慌てて鉄格子のドア前に駆け寄った。巨大な獣人(狼だろうか)がメイドから鍵を奪い取る。
「この子はもう私の物だ」
「ですが!」
「この子をいつまでここに閉じ込めておくつもりだ?」
獣人の迫力ある言葉にメイドは息を呑んだ。そして頭を下げたのである。
「どうかソータ様を幸せに」
「分かっている」
鍵がかちりと開く。そしていつものように音を立てながら鉄格子のドアが開いた。
「おいで。君はもうここにいなくていいんだよ」
獣人が優しく言う。ソータは恐る恐る差し伸べられた手を握ったのだった。
つづく
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